6歳の娘に死をどのように説明すればよいですか?
今年にはいって私の祖母が亡くなり、娘は生まれて初めてお葬式に参列しました。祖母が棺に眠る姿を見てショックを受けたようでした。そしてこの頃、一緒にくらしていた愛犬が亡くなりました。私たちが涙する姿を見て、娘も「死」というものがとても悲しく辛いものだと感じ取ったようで、「死んだらどうなるの?」「パパとママも死んじゃうから大きくなりたくない」と、最近、死について質問をするようになりました。娘からの質問にどのように答えたらいいのか悩んでいます。
いただいたご質問を、プライバシーに配慮して文面を整え掲載しております。
ご質問ありがとうございます。
お祖母さま、愛犬との度重なるお別れにご家族のみなさま、悲しみの中にいらっしゃることと思います。幼いお子さまにとっても、大変なショックだったことでしょう。
まず、死について考えることはとても大切なことだと思います。
枯れることを知らない人に、今咲いている花の美しさはわからないだろうと思います。死について考えるなかで、命の尊さを知り、感受性豊かな思いやりのある子に育つのではないかなと思ったりします。死について考える時間は、お祖母さまや愛犬からもらった大切な時間なのかもしれません。多くの大人は縁起でもないからそんな質問は止めなさい、と一蹴してしまうかもしれませんが、お子さまの質問に大切に向き合われていただけたらと思います。
死についてですが、世間には「死んだら負け」という言葉があるように、歳をとること(老)、体が痛むこと(病)、命おわること(死)を不幸とみる風潮があります。しかし、老病死が不幸であるならば、すべての人生は不幸の完成で終わってしまいます。阿弥陀仏の誓い※1をいただく浄土真宗にとっては、老病死は確かに辛いことであるけれども、無意味なことではなく、老いや病いによって精神的に育てられ、手の合わさる人になっていく。そして死は、いよいよ浄土へ生まれ、仏さまになる大切なご縁といただきます。
6歳の娘さんに説明することはとても難しいことと思いますが、おばあちゃんもワンちゃんも、自分の命を精一杯生きて、仏さまになっていったんだね※2と、お話しされたらいかがでしょうか?
※1 阿弥陀仏の誓いを本願(ほんがん)といい、すべてのものを安心の世界(浄土)へ生まれさせ、本当の意味で幸せな命(仏)にするというお誓いです。
※2 ワンちゃん(動物)が、命おわって仏になれるかどうかという問題は、仏教の教えの上で考えなければいけない部分があります。
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