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4コマ漫画 蓮位夢想

親鸞聖人(しんらんしょうにん)の側近で、秘書のようにお仕えしていた蓮位房(れんいぼう)という方がいました。

 ある夜、蓮位房が布団に入っていると、ひとつの夢を見たといいます。夢の中に現れたのは、日本に仏教を広め、その教えに基づいて国を治められた聖徳太子でした。すると、その聖徳太子が親鸞聖人のもとへ行かれ、「あなたは阿弥陀さまの化身(けしん)である」とおっしゃって、深く頭を下げて拝まれたというのです。夢からはっと目を覚ました蓮位房は、いったい何を思ったことでしょうか。これは『親鸞聖人伝絵(でんね)』に描かれている場面です。

 親鸞聖人がお生まれになったのは、聖徳太子がお亡くなりになってからおよそ550年後ですから、お二人が生きられた時代は、まったく異なります。しかし、親鸞聖人が残された540首あまりの歌のうち、実に200首が聖徳太子に関するものであることから、いかに特別な存在であったかが、うかがえます。そこには、「聖徳太子がいらっしゃらなければ、師である法然聖人(ほうねんしょうにん)に出会うこともできず、阿弥陀(あみだ)さまのおはたらきにも出会えなかった」という、深い感謝の思いが込められているように感じられます。その親鸞聖人が、逆に聖徳太子から拝まれるのですから、この夢を見た蓮位房も、さぞ驚かれたことでしょう。

 さて、このとき聖徳太子はどのようなお心で親鸞聖人に頭を下げられたのでしょうか。想像の域を出ませんが、もしかするとそれは「喜び」だったのではないかと思うのです。

 先日、聖徳太子をテーマにした研修会があり、兵庫県の赤井先生がご講義くださいました。その際に、梯実圓和上のお言葉をご紹介くださいました。それは、親鸞聖人は、聖徳太子の有名な言葉「世間虚仮(せけんこけ) 唯仏是真(ゆいぶつぜしん)」が収められている『法王帝説(ほうおうていせつ)』を読んでおられないため、この言葉そのものはご存知なかった。しかし「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのこと、みなもつてそらごとたはごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします」という、違わない意味の言葉を残しておられる。お二人は出会うことはなかったけれど、一つの真実をめざして生き、同じ領域を生きておられた――というお言葉でした。

 聖徳太子は、550年経て、親鸞聖人が自分と同じようにこの世界を見て、同じ阿弥陀さまを喜んでいることが、ただただ嬉しかったのではないか。だからこそ、あのように深く頭を下げて拝まれたのではないだろうかと感じました。

 この「蓮位夢想」の場面を、イラストレーターのレンさんが四コマ漫画で描いてくださいました。聖徳太子に拝まれて、恐縮しておられる親鸞聖人のお姿が、なんとも微笑ましく描かれています。

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