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もう一歩優しい生活へvol.2 プラスチックゴミの問題について

スーパーやコンビニの陳列棚を見れば、おにぎり、弁当、お菓子、ジュース、果物まで、ほとんどすべての商品がプラスチックで包装されています。お菓子袋の中は、プラスチック製のトレーに、さらにプラスチック小袋で小分けされてお菓子が並んでいます。この頃、レジ袋が有料になったり、お箸やスプーンなどの要不要が尋ねられるようになりましたが、それでもこれほど多くの容器包装プラスチックを使用する国は少なく、日本は容器包装プラスチックごみの量が世界2位です。

プラスチックは、軽くて丈夫なうえに安価で加工しやすいという性質を持ち、私たちの生活はたくさんのプラスチック素材に支えられています。しかし、このプラスチックは、微生物による分解がなされず、土に還らないということはご存知でしょうか。

プラスチックが使われるようになった1950年代から現在までの、プラスチックの世界総生産量は83億トンといわれ、そのうち、リサイクルされたものは9%。埋め立て・投棄が79%といわれます。土に還らないプラスチックの79%が埋め立てまたは投棄されているのは恐ろしい数字です。

また、海に流れ込んでいくプラスチックを海洋プラスチックといいますが、現在までで1億5千万トンのプラスチックが海に流れ込んでおり、新たに毎年800万トンが海に流れ込んでいっているといわれます。2050年には、海中に漂うプラスチックゴミの量が8億5千万〜9億5千万トンに達し、海に生息する魚の総量を超える計算となります。現在世界では、危機感をもち国連主導のもと足並みを揃えてプラごみの削減に取り組んでいます。

考えてみれば、プラスチックが広まり始めたのは1950年代からといいますから、その頃の暮らしに戻ると考えると脱プラスチックの生活もそこまで難しい話ではないのかもしれません。ちょうど、柳宗悦氏が「手仕事の日本」を上梓したのも、1948年。柳氏は、日本各地で、その土地にある材料を使って、その土地に適したものを職人さんが丁寧に作っており、この国は素晴らしいもので溢れているとおっしゃっています。九州でいえば、焼き物では佐賀の有田焼き、鹿児島の苗代川の古薩摩、龍門司の飯鉢、大分日田の小鹿焼など。織物では、小倉織、博多織、久留米絣、薩摩絣、大島紬など。その他では、福岡馬出町の柄杓・寿司桶・水桶といった曲物細工、福岡の菱足というハサミ。鹿児島の黄楊櫛、錫細工。長崎の鼈甲細工。別府の籠や笊などの竹細工。高千穂地方の背負う竹籠かるひ。日向の碁石。九州だけでもこれだけのものが紹介されていますから、プラスチックが広がる前は日本中に素晴らしい品が溢れたいたようです。

そんな一昔前の生活にスポットを当てつつ、プラスチックになるべく頼らない生活を心がけたいものです。

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